【Tokyo Day’s】日本橋茅場町で『和食』と『浮世絵』をテーマとしたデジタルアート展を楽しむ

各地域のカゴモメンバーが、たまたま行ったスポット情報やイベント情報を不定期ではありますが、皆さんにお届けできればと思います。

今回は『日本橋茅場町』で開催中の2つのデジタルアート展についてご紹介します。

2017年1月28日(土)~5月21日(日)まで、東京・日本橋茅場町特設会場でデジタルアート『食神さまの不思議なレストラン展』と『スーパー浮世絵 江戸の秘密展』が開催されています。

この2つのデジタルアート展は、人と文化が行き交う拠点としての金融街を目指した「日本橋兜町・茅場町アートプロジェクト」の一環として開催され、ソニー・ミュージックエンタティメント(SME)、アソビシステムなどのイベント製作委員会が主催しています。

食神さまの不思議なレストラン展

『和食』をテーマに見て食べる体験型デジタルアートとして、最先端の映像技術や特殊効果を駆使して、ミステリアスな世界を表現しています。

演出は、スーパーボウルのハーフタイムショーやマドンナなどの海外アーティストのライブをはじめ、サグラダ・ファミリア大聖堂、シルク・ドゥ・ソレイユなど、世界で作品を発表してきたデジタルアート集団『Moment Factory』が手掛け、『和食×デジタルアート』の融合によって、五感が刺激される未知の世界となっています。

01.
Valley
四季の谷

四季の変化と、そこで育まれる旬の食材を表現した部屋となっていました。

手をかざしてみると、、様々な変化を楽しむことができます。

02.
Four Ways
焼・煮・揚・蒸

四方が特殊な7層スクリーンに囲まれ、「焼・煮・揚・蒸」という調理の反応を表現した部屋となっており、スクリーンの前で身体動かすと、音や光の変化を楽しめます。

03.
Sanctuary
和食の社

ここは4つのスクリーンで「発酵」「道具」「酒」「出汁」という和食に欠かせない素材を教えてくれる部屋となっています。

スクリーンの前に立つと、人影のように光が現れていました。

04.
Dialogue
米との対話

お米をつかって自然と食卓のつながりを表現した部屋で、お米に触れたり、すくったり、握ったりするとスクリーンに様々な変化を楽しめる部屋になっていました。

すくって山なりにすると地図のように高低差が表現される仕掛けがあったりと、映像の変化がとても面白かったです。

05.
Restaurant
食神さまの不思議なレストラン

「空」「森」「火」をランドスケープで表現したレストランとなっています。

「いちご味」、「グレープフルーツ味」などの甘酒も販売しています。

また、来場者全員に1つずつ美山荘・中東久人特製の”神様のおいなり”さんも振舞われます。

「火のレストラン」ではランドスケープを利用して火を表現し、火を囲み語らいながら食事ができる空間を提供しています。

ぜひ、公式サイトをチェックして足を運んで『ミステリアスな和食の世界』を五感で感じてほしいです。

スーパー浮世絵 江戸の秘密展

江戸の庶民が親しんだ浮世絵を、デジタルアートと融合させ、会場内にある浮世絵の映像と片岡愛之助さんのナレーションで江戸の町を観光しているかのように、江戸文化を紐解いていく空間となっています。

“エモい”とは、emotion(感情・感動)という言葉を現代風に変化させた造語で、江戸×現代のように『浮世絵×デジタルアート』を表しているようですね。

会場内には高札(掲示板)のように、「江戸の秘密」として雑学が表示されます。

浮世絵も題名と解説付きで展示されています。

01.
こちとら江戸っ子。
上方とは流儀が違うってもんよ。

江戸時代には、地域によってファッションセンスがかなりはっきりしていて、江戸っ子が上方(関西)へ旅すれば「あいつは関東もんだ」ってすぐに分かっちゃうほど、明確に違っていたのだそうです。

上方の場合、派手な色の着物を装うのに対して、江戸(東京)では「赤ぬける」と言葉にあるくらい、女らしい赤色を身に付けない「赤なしで勝負する!」といった、赤い色に頼らなくても色気があるのが「粋」だという意地っ張りの江戸っ子らしい考えで、それが受け継がれて、現代でも使う「垢抜ける」となった由来だそうです。

※「灰汁抜ける」の説もあり。

02.
女歌舞伎は、
セクシーすぎるから禁止!

江戸時代には、遊女達による「かぶき踊り」は、女歌舞伎と呼ばれ大人気となったが、遊女を巡ったトラブルが多発した為、幕府から禁止令が出され、『女がダメなら男で!』と美少年による一座が結成されました。

しかし、これも風紀を乱すという理由で禁止になりました。

その後、幕府の許可制として、成人男性による「野郎歌舞伎」が生まれ発展しました。

ちなみに、「かぶき」は「傾く(かぶく)」という動詞から派生した言葉だそうです。

03.
今年の初鰹はおいくら?

今では初物と言えば『マグロ』が有名ですが、当時の初物はカツオの事を指していました。

『初物を食えば七十五日長生きする』と言われ、鎌倉沖や小田原沖で獲れた初鰹は、急いで江戸へ運ばれて高価で売られていたそうです。

07.
おいおい、
想像よりもデカいじゃねえか!?

一般的に私たちの知っている「お化け」は、江戸時代の浮世絵で描かれて一般化されたそうです。

それまでは、怪談話などの挿絵の中だけで、人によってイメージがバラバラだったので浮世絵で「お化けの規格化(キャラの確立)」ができたということです。

04.
吉原では、知らんぷりもマナー

吉原まで行く道は追い剥ぎにも遭うような、道を通らないといけなかったそうです。

また、その道中は知り合いに会ったら、吉原に行くのがバレバレなので、『敢えて知らないフリ』をするのが礼儀・マナーとされていました。

05.
振る舞いも、
お金遣いも「粋」だねぇ。

吉原は男性の最大の社交場とされ、そこでの振る舞いで男の価値が決まるとされていました。

上客たちは、髪型は髷(まげ)の根を高く7対3で折り返した「本多髷(ほんだまげ)」に、羽織は黒、煙管は「住吉原」というブランド物を身に着け、誰に対しても礼儀正しく気を遣い、祝儀をはずむものとされ、江戸の男性たちはそれを「粋」のお手本にしていたそうです。

06.
英才教育された一握りのイ~イ女

吉原の主役であった「花魁(おいらん)」は、数多くいた遊女の中でも、ほんの一握りの存在だったそうです。

習い事を幼いころからみっちり仕込まれ教養があり、大名や公家など特別な人の相手もできる女性で、吉原では花魁が上座に座り、客は下座というほど、花魁の格式は高かったようです。

一部ご紹介しましたが、まだまだ会場ではたくさんの浮世絵の中に眠る、知られざる江戸の秘密が紹介されているので、ぜひ足を運んでみてください。

会場入り口には、グッズ売り場と撮影スポットがありました。

調味料や食器・お酒から生活用品まで様々な商品が販売されています。

いかがでしょうか。

今回は『デジタルアート』が『和食』と『浮世絵』と融合することにより、また新たな角度から2つのテーマに興味を持ち、体験するだけではなく、少し勉強にもなりました。

ぜひ一度、『見る・聴く・触れる』といった五感を使ったアート体験をお楽しみください。