鹿児島弁はスパイ防止の為に生まれた言語説は本当なの!?

鹿児島が舞台のNHK大河ドラマ『翔ぶが如く』や『篤姫』や『西郷どん』。

巷では、「なんて言ってるか分からない!!」「鹿児島弁が難しすぎる!!」など、初めて鹿児島弁(薩隅方言)に触れる他県の方々からすれば少し抵抗を覚えるだろう。

薩隅方言:鹿児島県(奄美群島除く)と宮崎県南西部で話される日本語の方言。

ただでさえ、地元のお年寄り同士が話す鹿児島弁はもはや暗号や外国語のようにさえ聞こえる。

鹿児島弁の誕生秘話は、様々なエピソードがまことしやかに囁かれているが、「江戸時代に薩摩藩が幕府からのスパイに言葉を理解させないための人工的な急造言語説」や「第二次世界大戦中に重大機密事項をやり取りするための暗号(早口の鹿児島弁)として作った説」などが有名だ。

しかし、上述の説が仮に本当だったとしても、時代的にも鹿児島弁は相当古い方言と考えられており、言語学的には、まったく根拠のない話だそうだ。

理由としては、「叫ぶ」を意味する「おらぶ」、親しい相手を意味する「はん(おはん)」やもっと親しい相手や対立する相手を意味する「わい」など平安時代や奈良時代まで遡れば古い鹿児島弁が残っているそうだ。(*1)

いずれにしろ、古書など古い資料などに記録されているかもしれませんが、方言については地理的要因や時代(社会)的要因、集団的要因など様々な環境要因があり、そして年月をかけて形成され、今に受け継がれていると思うと感慨深いものだ。

現代はスマホやテレビなど先進的なコミュニケーションツールによって地理的要因など様々な要因は破壊され、日々の生活の中で無意識に影響を受けているため、今後年月が経つにつれ方言などが薄れていくのは確実だろう。

事実、現在の若者たちはお年寄りの方言はほとんど分からないし、教わったとしても意識して使おうと思わないのが現実だ。

イントネーションは別として、この方言が薄れていく問題は鹿児島だけでなく他の地域もきっと同じことだろう。

最後に

話は変わるが、各地域の方言ランキングを見てみよう。

女性ファッション雑誌『CanCam.jp』の“女子のかわいい方言ランキング2017”では1位:博多弁、2位:京都弁、3位:関西弁、4位:東北弁、5位:広島弁

「~やけん」「よかよー」「~っちゃ」「~とよ」「とっとー?」が可愛いとのこと。

一方、『マイナビウーマン』の“女子ウケする男性の方言ランキング”では1位:大阪府、2位:福岡県、3位:東京都、4位:広島県、5位:京都府

女子も男子のランキングも代わり映えもないが、いつか鹿児島弁がランキングすることを願って。

*1:鹿児島「地理・地名・地図」の謎 意外と知らない鹿児島県の歴史を読み解く!

画像提供:©鹿児島市